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Hypex nCoreX 搭載モデルの一覧

hypex社製のnCoreの後継技術にあたる、nCorex搭載デジタルアンプを一覧にしてみました。

目次

hypex nCorexとは

nCorexとは、Hypex Electronics 社が開発したデジタルアンプ(D級アンプ)のモジュールです。
以前同社が開発したnCoreシリーズのアンプモジュールが、国内外のオーディオ製品に多数搭載されていることを本ブログでも紹介してきました。nCorexはこの進化系にあたります。

nCoreからの進化点

公式サイの記述によれば、nCorexは​nCoreをさらに改良したバージョンで、最後の「x」は”eXceptional”を意味しています。

​nCorexはnCoreと比較して2倍の性能向上を達成しているということで、大雑把に詳細を説明します。

1. 全高調波歪み(THD+N)の低減

仕様書を見比べると、従来のNC500(NCORE)モジュールでTHD+Nが約0.001%程度だったのに対し、新しいNCx500(NCOREx)モジュールでは0.0006%前後と半分程度になっています​20Hz~20kHzでの典型値)。

暑がりワニ

nCoreモジュールでもすでに非常に低いですが、さらにアップグレードしてます。

この性能向上に関係すると思われる技術的な改良点(主にNC500OEMモジュールからの進化)は、アンプ入力部に高性能バッファ回路とディスクリート安定化電源(HxRレギュレータ)を搭載したこと、

And another new technique implemented in this new module series is a differential idle current. Meaning, the module will run in a much lower idle current when it can and will only switch to a higher idle current when performance is needed. This technique results in a lot less heat dissipation. Without going into detail, we can already confirm that the idle losses are 20% lower compared to the NC500 OEM.” audioxpress.com

また、新たに「差動アイドル電流(differential idle current)」という方式を導入し、必要に応じてアイドリング電流を切り替えることで無信号時の発熱を減らしつつ、信号時には十分なバイアス電流を確保して出力段の歪みを低減しているようです。

2. 周波数帯域の拡大

nCorexでもnCoreと同様、スピーカーのインピーダンスに依存せずフラットな周波数特性となっています。特にnCorexではnCoreに対して帯域幅が拡大しており、同等のnCoreモジュール(NC500)の50kHzから、70kHzに拡大しました。(周波数変動が±3dB以内となる範囲を帯域幅とした場合)

さらに低インピーダンス負荷での駆動力も向上しています。NCORExでは出力段の電流供給能力が強化されており、4Ω負荷時と同じ定格出力を2Ω負荷時にも供給可能です​。

3. 出力インピーダンスの低減

NCORExではアンプの出力インピーダンスが低減しているため、スピーカーの制動力(ダンピングファクター)が高まりました。NCx500(NCOREx)の出力インピーダンスは1kHz以下で約0.25mΩと、nCoreの相当品(NC500)より更に低くなっています

暑がりワニ

NC500, NCx500で測定時の条件がそろっていない為、16kHz付近は結局1.5mΩぐらいまで上がっており、特定の範囲の出力インピーダンスしか下がっていない可能性はあります

性能向上のまとめ

特性NC500 (NCORE)NCx500 (NCOREx)ポイント
全高調波歪み (THD+N)~0.001% (20Hz–20kHz, 典型値)​0.0006% (20Hz–20kHz, 典型値)​約半分強になった​
周波数帯域 (-3dB)0 Hz – 50 kHz0 Hz – 70 kHzより高域側へ拡張
出力インピーダンス1.5 mΩ (f < 16kHz, typ.)​
~5 mΩ (f < 20kHz, Max)​
0.25 mΩ (f < 1kHz, typ.)​
~2 mΩ (f < 20kHz, typ.)​
約6~2.5分の1になった、かも…??
出力:8Ω / 4Ω / 2Ω400W / 700W / 550W​380W / 700W / 700W​2Ω負荷時の出力向上

nCoreシリーズの未来:Nilai

公式サイトの記述によれば、nCorexはNilaiと呼ばれる次世代技術のシンプル版であるとされています。NilaiはnCoreに対して10倍以上の性能改善があると説明されています。

現在Nilaiを試せるのは下記のDIYキットだけのようなので、一般ユーザ向けにはNilaiシリーズを搭載した機材の登場が待ち遠しいところです。

https://www.diyclassd.com/products/diy-amplifier-kits/nilai500diy-500w-mono-power-amplifier-kit

暑がりワニ

私もまだ買えてません…

国内メーカー

国内メーカーだとまだTEACしか出していないようです。

型番メーカー搭載モジュール(定格)出力価格(円、税込)
AP-507TEAC独自カスタム品
(NCx500/1000ベースではなさそう)
130W+130W (4Ω)308,000円

(安く入手できる)海外メーカー

PSE等国内の安全規格を満たしていない商品の情報です。使用には火災や怪我などのリスクを伴います。本記事を参考にして生じた損失については筆者は一切の責任を負いません。個人輸入及び使用は自己責任でお願いします。

VTV Amplifier

アメリカのメーカー。チャンネルごとに様々な選択肢。NCx500×2で939USD~など。
お求めやすい選択肢多数。

https://vtvamplifier.com

https://vtvamplifier.com/product/vtv-amplifier-ncx500-hypex-ncore-stereo-with-input-buffer-options/

ApollonAudio

オーストリアのメーカー。NCx500×2 で 1190ユーロ〜など。

https://apollonaudio.com/product/hypex-ncx500-ncorex-st-stereo-amplifier/

Nordacoustics

イギリスのメーカー。NCx500×2 で899ポンド〜など。

https://www.nordacoustics.co.uk

https://nordacoustics.co.uk/product/nord-one-ncx500st-power-amplifier

参考文献

https://www.hypex.nl/media/74/2a/5b/1678365773/NCx500%20-%20Datasheet%20R0.pdf

https://audioxpress.com/news/hypex-announces-new-and-improved-ncorex-class-d-amplifier-technology

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この記事を書いた人

エンジニアの私が大好きな、ガジェット/オーディオ機器 のレビュー&自作 を中心に
日々の生活におけるお役立ち備忘録を目指します。

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